海軍搭乗員の養成コース

海軍戦闘機搭乗員の養成コースには、大きく分けて次のようなものがあった。

(1)飛行学生
 士官パイロットを養成するコースで、海軍兵学校出身の兵科将校が対象となっていたが、後に機関科将校からも採用されるようになった。 当初は兵学校卒業後、艦隊勤務を経て採用されていたが、昭和十八年海兵七十二期生より卒業即飛行学生になった。
(2)飛行科予備学生
 大学学部卒業者で二十六歳未満、大学予科または専門学校卒業者で二十四歳未満のものに対し搭乗員としての教育を行い、 予備少尉に任用する制度で、大戦末期には大量の学徒が動員された。なお、昭和十八年末には大学予科、旧制高校在学中の 者を対象に、航空術教育ののち予備少尉候補生に任用する、飛行科予備生徒の制度も作られた。
(3)操縦練習生(操練)
 海兵団出身者を対象とした、下士官兵の部内選抜の制度である。当初は下士官兵パイロットの養成コースはこれしかなく、草創期 の多くの名パイロットを輩出した。
(4)甲種飛行予科練習生(甲飛)
 特務士官(兵より昇進した士官。軍令承行令により、指揮権等。兵学校出身の正規指揮官とは大差をつけられていた)パイロット を急速養成するため、当初、中学四年一学期修了以上(のち緩和)の学力を有する者を対象とした。昭和十二年発足。 十七年十一月、下士官兵搭乗員の進級が一律に早められるまでは、下士官兵各コース中、進級が最も早かった。
(5)乙種飛行予科練習生(乙飛)
 将校の初級指揮官となるべきパイロットを養成するため、高等小学校二年修業程度以上(旧制中学二年修了以上)の学力を持つ 少年を対象とした。昭和五年発足。乙種とはいうものの、予科練の三つのコースの中では一番早く制度化された。
(6)丙種飛行予科練習生(丙飛)
 操縦練習生の流れをひく部内選抜。短期間の基礎教育を行うために制定され、操練制度は廃止された。昭和十六年発足。
(7)乙種(特)飛行予科練習生(特乙)
 乙飛合格者の中より年長者を選んで採用し、六ヶ月の速成教育を施した。昭和十七年十二月発足。
(8)予備練習生(予備練)
 愛媛、長崎地方養成所を卒業してから、海軍練習航空隊に入隊し、実用機訓練と基礎的な軍事教育をうけ、充員召集となったもの。

士官
将 官
海軍大将
海軍中将
海軍少将
佐 官
海軍大佐
海軍中佐
海軍少佐
尉 官
海軍大尉
海軍中尉
海軍少尉
昭和四年
五月十日より
昭和十六年
六月一日より
昭和十七年
十一月一日より
参考・陸軍の場合
准士官
海軍航空兵曹長
(空曹長)
海軍飛行兵曹長(飛曹長)
海軍飛行兵曹長
(飛曹長)
准尉
下士官
海軍一等航空兵曹
(一空曹)
海軍二等航空兵曹
(二空曹)
海軍三等航空兵曹
(三空曹)
海軍一等飛行兵曹
(一飛曹)
海軍二等飛行兵曹
(二飛曹)
海軍三等飛行兵曹
(三飛曹)
海軍上等飛行兵曹
(上飛曹)
海軍一等飛行兵曹
(一飛曹)
海軍二等飛行兵曹
(二飛曹)
曹長
軍曹
伍長
海軍一等航空兵
(一空)
海軍二等航空兵
(二空)
海軍三等航空兵
(三空)
海軍四等航空兵
(四空)
海軍一等飛行兵
(一飛)
海軍二等飛行兵
(二飛)
海軍三等飛行兵
(三飛)
海軍飛行兵長(飛長)
海軍上等飛行兵(上飛)
海軍一等飛行兵(一飛)
海軍二等飛行兵(二飛)
兵長
上等兵
一等兵
二等兵


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